甘夏商品開発ヒストリー~甘夏ナツコの物語 vol.3

「甘夏、人気ないの?あんなに美味しいのに」
そう言って下さる方、結構いらっしゃいます。
でもやはり、甘さが特徴の『せとか』や『なつみ』、美味しさと珍しさが自慢の『湘南ゴールド』などのようには売れていかないのが甘夏なんです。
江之浦果樹園maruesuの畑の甘夏に加えて、今年も沢山の農家さんから甘夏が届きました。去年よりもはるかに多くの農家さんが持ってきてくださり、その量はあっという間に1トンを超えました。
柑橘のプラスチックコンテナにおよそ70~80杯です。
私たちのナツコ。どこの工場へ連れて行って、どんな商品にするのか。
今日はそんなお話を皆さまにお伝えできたらと思います。
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江之浦果樹園maruesu“ウリ”は、やはり100%ストレートジュース。
これまで柑橘10品種のストレートジュースを世に送り出してきました。
ならば甘夏の100%ストレートジュースも…?
そう考えてはみるものの、甘夏のストレートジュースはどうしても酸味と苦みが際立ってしまいます。
試飲してみると、思わずお口がへの字に曲がってしまうなんてことも…。
果汁比率を調整してみたらどう?
お砂糖を加えれば、酸味と苦みを少し抑えることができるかも?
でも、抑えすぎて甘夏の特徴を消しすぎたらいけないよね?
夏に甘夏の炭酸があったらいいかもね!
さまざま飛び交った意見を集約した結果、もともとある江之浦果樹園maruesuの人気商品『江之浦みかんスパークリング』を参考にして『あまなつスパークリング』を作ってみることにしました。
果汁比率もさまざま試してみましたが、強い苦み酸味を抑えつつ、でも甘夏らしさも残すには、やはり50%が一番落ち着くことがわかりました。
甘さは白砂糖よりもてんさい糖の方がやさしい味わいになります。甘さは極力控えめに、甘夏本来の味を最大限活かすようにしました。
果汁比率を上げればそれだけコストが上がります。思いが強すぎる商品を作っても、マーケットアウトしてしまえば手に取っていただくことはできず、それでは本末転倒です。果実そのものの味を目一杯引き出しつつ、味も価格もちょうどよいところにおさめるのは中々難しいと、いつも感じます。
また、果汁比率が高い液体に炭酸を充填するのは技術的にとても難しいのですが、そこは特殊な技術と製法をもつ工場に依頼をしています。「これだ!」というところに行き着くまで、今回も打ち合わせと試作と試飲を繰り返しました。
かくして出来上がったのが、『江之浦あまなつスパークリング 果汁50%』です。
江之浦みかんスパークリング、片浦レモンスパークリングのシリーズ商品として、満を持して仲間入りしました。
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今年もうずたかく積み上げられたコンテナにぎっしり詰まった甘夏が工場に向けて出発しました。
あまなつスパークリングに加えて、また新たな商品が誕生する…、かもしれません。
「もったいない」を「美味しい」に。
これからもがんばりやのナツコのことをどうか応援してください。
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『甘夏ナツコの物語』第3弾、今回はあまなつスパークリングが商品化されるまでのお話を書かせていただきました。
いかがでしたでしょうか。
次回の「甘夏ナツコの物語」は6月12日配信予定です。おたのしみに!